
テーキン刻印で変わるプレス加工品質──摩耗を防ぐ実践ポイント
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製造業における刻印は、単なる識別マークではなく、製品管理・品質保証・トレーサビリティを支える重要な役割を担っています。とくにプレス加工や冷間鍛造など、高負荷がかかる工程では、刻印のわずかなズレや摩耗が最終製品の品質に直接影響します。こうした環境では、耐久性だけでなく「精度」「再現性」「美観」といった多面的な品質が求められます。
しかし、従来の切削加工では超硬材や高強度材への微細加工が難しく、刃物摩耗や熱変形による寸法誤差が避けられませんでした。そこで注目されているのが「放電加工(Electrical Discharge Machining)」です。放電加工は、電極と被加工物の間に微小な放電を発生させ、その熱エネルギーで金属を溶融・除去する非接触加工技術です。刃物を使わないため摩耗がなく、硬度の高い金属にも均一な仕上げが可能。有限会社加古彫刻では、この放電加工をテーキン刻印の製作に組み合わせることで、従来にない精度と耐久性を両立させています。
テーキン(Tungsten Carbide Alloy)は、タングステンカーバイド(WC)とコバルトなどの結合材を主成分とした超硬合金です。硬度はHRA90以上、耐摩耗性と靭性のバランスに優れており、冷間鍛造やプレス加工のような過酷な環境にも耐えうる素材です。さらに重要なのが「導電性の高さ」です。放電加工では電気を通すことが必須条件であり、導電性が高いテーキン材は放電の安定性を保つうえで非常に有利です。放電の安定はすなわち仕上がりの均一性を意味し、刻印表面の粗さや寸法精度を大きく向上させます。
有限会社加古彫刻では、この素材特性を熟知したうえで、放電条件を刻印形状・サイズ・深さに応じて最適化しています。電極製作、型彫放電、ワイヤー放電、NC研磨、仕上げ研磨といった一連の工程を自社で一貫して行うため、寸法誤差の蓄積を最小限に抑えることが可能です。結果として、打痕の均一さや文字の視認性が格段に向上し、耐摩耗性・耐欠け性・寿命すべての面で高水準の刻印を実現しています。
刻印製作における放電加工の要となるのが、「型彫放電」と「ワイヤー放電」の二種類です。どちらも放電を利用しますが、用途と効果が異なります。
型彫放電は、電極の形状をそのまま金属に転写する加工方法で、主に文字・ロゴ・目盛などの微細な形状を刻む際に用いられます。刻印面の深さや幅を均一に保ちながら、鋭い輪郭と滑らかな表面を形成することが可能です。加古彫刻では、放電痕の微細化を図る独自のパラメータ設定を行い、研磨後でもエッジが立ったままの美しい刻印面を実現しています。これにより、打痕の視認性と耐久性が両立します。
一方、ワイヤー放電は、細いワイヤーを電極として金属を切断する加工方法で、刻印の外形や輪郭形状を高精度に仕上げる際に使われます。特に複雑な金型形状や角部の精度を要求される場合に有効で、テーキン材のような硬質素材でも形状崩れなく仕上げられるのが利点です。導電性の高いテーキンは、ワイヤー放電中の電流が安定しやすく、加工ムラが少ないことから、長時間の加工でも均一な仕上がりが得られます。
放電加工とテーキン材の組み合わせは、単なる高硬度加工ではなく、品質管理・生産性・コストの面でも大きな効果をもたらします。
まず一つ目のメリットは「寸法精度の安定性」です。放電加工は非接触で行うため、工具摩耗がなく、同一条件で繰り返し加工しても誤差が発生しにくいという特長があります。これにより、文字の深さ・輪郭の再現性が高まり、刻印ごとの品質差を抑制できます。
二つ目は「表面仕上げの均一性」です。テーキン材は放電時の熱影響が少なく、溶融再凝固層が均一に形成されるため、放電痕が整った滑らかな面が得られます。これにより、刻印の打痕も安定し、製品の見た目や触感の品質が向上します。
三つ目は「長寿命化とコスト削減」です。テーキン刻印は一般的な焼入れ鋼やSKD材よりも摩耗に強く、交換サイクルを長期化できます。放電加工による精密な仕上げで打痕負荷が分散されるため、刻印自体の欠けや潰れを抑制。結果として、金型全体の寿命延長にもつながります。有限会社加古彫刻では、これらの特性を活かし、長期間使用しても精度を維持できる高耐久刻印を提供しています。
有限会社加古彫刻では、放電加工技術を中心としたテーキン刻印製作を幅広く手がけています。対応可能な一例は次の通りです。
・プレス加工・冷間鍛造用のテーキン刻印・パンチ刻印
・ダイス刻印・ロール刻印・ホットスタンプ刻印
・NC制御による精密目盛刻印・ロゴ刻印・銘板刻印
・ローレット刻印・手打ち刻印・試作用の少量製作
これらは「対応可能な一例」であり、形状・寸法・数量・納期などによって詳細は要相談となります。大型金型や特殊合金への加工も相談可能です。
同社では、電極製作から放電加工、研磨、仕上げまでを一貫して行う体制を確立。外注に頼らないことで品質の均一化と納期短縮を実現しています。岐阜・愛知・三重・滋賀など東海エリアを中心に、関西・北陸・関東方面からの依頼にも対応しており、全国規模での製作実績を持っています。特に、一本単位のオーダー対応が可能な点は、小ロット生産や試作開発を行う企業から高い評価を得ています。
岐阜県各務原市に拠点を構える有限会社加古彫刻は、創業50年以上にわたり、刻印製作・放電加工・電極製作・機械彫刻を専門に行ってきました。NC加工・研磨・旋盤・放電加工の設備をすべて自社内に揃え、工程の一貫管理と高品質維持を徹底しています。
長年の経験で培った「金属を読む技術」と、現場に即した柔軟な対応力が同社の強みです。製造業の現場では「より精密に、より長持ちする刻印を」という要求が年々高まっており、それに応えるため、同社ではテーキン材を中心とした素材選定から最適な加工方法までを提案しています。放電加工技術とテーキン刻印の融合は、刻印の美しさと強さを両立するだけでなく、製造ライン全体の安定化・省メンテナンス化にもつながります。
プレス加工や冷間鍛造、金型製作の現場で刻印の摩耗や欠けにお困りの方、あるいは製品刻印の見た目を改善したい方は、ぜひ有限会社加古彫刻へご相談ください。精密な放電加工と高耐久なテーキン刻印によって、確かな品質と信頼をお届けします。